PER

PER(Price Earnings Ratio:株価収益率)は、損益計算書の当期純利益との対比で株価水準を測る指標である。

定義式は以下の通りである。

\[
\mathrm{PER} = \dfrac{\mathrm{株価}}{\mathrm{1株当たり当期純利益}} \mathrm{(倍)}
\]

当期純利益は株主に対するリターンである。それによって株価を割っているということは、PERは投資額(=株価)を何年で回収できるかという回収年数を計算していることになる。たとえば、「PERが20倍」ということは、「今、その株を買ったら、20年間で回収できる」ということ意味している。

PERは証券会社などがよく使う指標だ。ただし、PBRの1倍のような明確な基準はないので、基本的には他社と相対比較するというのが基本的な使い方だ。証券市場や業種によっても異なるが、一般的には20~40倍というところだろう。

2000年前後のITバブルの頃は、PERが100倍を超えるベンチャー企業も珍しくなかった。これは投資回収に100年以上かかるということだ。自分が生きている間に回収できない株にみんなが投資していたわけでだから、バブルというのはやはり異常であり、人の感覚をおかしくするということだ。

なお、PERの分子・分母に発行済株式数を掛ければ、PERは次のように表現することもできる。

\begin{array}{l}
\mathrm{PER} = \dfrac{\mathrm{時価総額}}{\mathrm{当期純利益}} \mathrm{(倍)} \\
\mathrm{時価総額} = \mathrm{株価} \times \mathrm{発行済株式数}
\end{array}