4つの会社形態の中で、多くの人にとって最も馴染みのあるのは株式会社だろう。逆に、合名会社などは見たこともないかもしれない。しかし、合名会社こそが最も普通の会社であり、株式会社は最も異常な会社なのである。
会社は金儲けのための手段だ。金儲けをするためには、自分でお金を出して会社を作り、自分で経営をし、いいことも悪いことも全責任は自分が負うというのが最も自然な発想だろう。この発想に基づくのが合名会社である。特徴は、会社の社員(=出資者)と経営者が一致していることと、社員が無限責任を負うところにある。
所有と経営が一致した会社では、資金の出し手は少数の個人ということになるので、多額の資金を集めるのは難しい。したがって、合名会社ではビッグビジネスは難しいという短所がある。
また、無限責任であるので、会社が多額の負債を抱えたまま倒産したような場合は、その負債の返済義務を出資者個人が負うことになるので、創業者個人としてはリスクが高いという短所もある。