所有と経営の一致を前提とする合名会社や合資会社では、多くの資金を調達することにはどうしても限界がある。大規模企業を作ってビッグビジネスをやるのには向かない。
そこで考え出されたのが株式会社である。
株式会社の特徴は、所有と経営が原則的に分離していることと、全出資者が有限責任である点にある。
会社名の英語表記でCo., Ltd.とういのを見ることがあるが、Co.がCompany(会社)、Ltd.がLimited(有限の)という意味なので、有限責任の会社という意味である。
株式会社は今日においては最も普通の存在であるが、実は異常な会社形態である。儲けをしたいはずの会社オーナーが自ら経営をせず、オーナーは債権者に対して事実上ほぼ無責任だからだ。しかし、それによって世界中の不特定多数の人が安心して出資することができ、会社は多額の資金調達が可能になっているのである。