ROE

ROEとは、Return On Equityのことであり、日本語では自己資本利益率や株主資本利益率という。これは株主から見た収益性を表している(下図)。

ROEの定義式は以下のようになる。

\[
\mathrm{ROE} = \dfrac{\mathrm{当期純利益}}{\mathrm{株主資本}} \times 100 ( \% )
\]

ROEが「株主から見た収益性指標」ということが分かれば、なぜこのような式になるのか、自ずと分かる。分母に来るのは株主が投下した資本なので、文字通り株主資本を用いる。「株主資本」とは何かということについては議論の余地があるが、とりあえずは貸借対照表の純資産だと思ってよい。

一方、分子に用いる利益は何かというと、ROEはあくまでも株主目線だから、ここに来るのは株主が投下した資本に対するリターンだ。

それは損益計算書の一番最後にある当期純利益だ。当期純利益は配当の原資である。ざっくり言えば、1株当たり当期純利益がその期の配当の上限額だ。当期純利益とは、株主に対する還元原資なのである。

巷では、とかくROEが注目を集めることが多いが、それは株主重視ということが最近よく言われるからだ。しかし、ステークホルダーは株主だけではない。また、非上場企業の株主は上場企業の株主とは位置付けが相当異なるので、非上場企業においてROEを重視してもあまり意味がない可能性がある。

それに対して、ROAはステークホルダーに対して中立的だ。上場・非上場の違いや規模の違いに関係なく等しく使える。